公開日 2022年02月

~左右の狛犬の違いに気づく~
正月の三が日は冷え込んだが、日が出ると過ごしやすく、降られることはなかったので近くの神社を歩いて回った。何時もの事だが、鳥居をくぐると狛犬が左右から見つめている。松茂町笹木野の春日神社には狛犬が四対建てられている。何かの時に新しい狛犬を製作したが、古いものにも愛着があり並立となったのだろう。
狛犬は境内に厄というか神様に良からぬ者・物・邪気などの侵入防御をしていることは容易に想像できる。私は最近知ったのだが、狛犬は神社に向かって右側が獅子(ライオン)であり、左が犬であるそうだ。お寺の門に建つ仁王像の口の阿吽のように、獅子の口が阿であり口を開き、犬の口が吽で口を閉じている。
笹木野の狛犬は、その外観は少しずつ時代を表し変化が見られる。製作の時代が分からないが、傷みがひどく古いものは、尾と思われる後部を猛々しく上げて威嚇しているかのようである。それに引き換え新しいものは後部より顔が大きく作られている。更に右足の下には何かが見える。私は、これは天邪鬼を踏みつけていると思い込んでいたのである。
かなり前の事であるが、美郷に梅見に出かけた。記憶が不確かだが、梅の名所を少し登ると眺めの良い照尾八幡神社があった。そこの狛犬が右側に子犬を抱えている。地元の方によれば、子連れの狛犬は珍しいと聞いているとのことであった。照尾神社と笹木野の春日神社の狛犬の状態は、私が見る限り、照尾神社は大切に抱え、春日神社は踏みつけているとしか見えないのである。
これらの子と共にある狛犬を「子連れ狛犬」と言って縁起が良いらしい。足で踏んづけているのではなく、足であやしているのだそうだ。子連れ狛犬は子孫繁栄のご利益があると言われる。
(松茂町笹木野の春日神社の狛犬の新旧のもの)

徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄