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Vol.129.濁音、されど、濁音

公開日 2021年10月

~数字の読み方も分からない~

 近くに加賀須野の通称・昇降橋があり、散歩のためにほぼ毎日利用している。この橋のたもとに表示板があるのだが、東側は「加賀須野橋」と漢字で書いてあり、西側は「かがすのばし」とひらがなで書いた文字盤が埋め込まれている。不確かな知識だが、橋の技術屋さんは橋の下を流れる川が濁るのを嫌って、なるだけ業界用語では濁らなく「かがすのはし」と呼ぶそうである。

 徳島はデパートと呼ばれる「そごう」が撤去して寂しいが、大きな建物・アミコビルなどは何階かあり、1階、2階、3階と続くが、なぜか、いっかい、にかい、さんがい、と3番目だけ濁るようだ。さんかい、と言っても間違いでもなく、指摘もされない。また、初めに書いた「何階」も「なんかいですか」なのか「なんがいですか」なのか、エレベーターの係の人に聞いてみたい。

 とは言いながら、スポーツ大会の3回戦は、おそらく「さんかいせん」であり、「さんがいせん」とは言わないし、聞いたこともない。3回(さんかい)生と言えば、関西の大学で学んだ学生は、いわゆる3年生のことである。関東や徳島の学生は3年生と言っている。虚実は知らないが、その昔、2年落第すると関東は4年生であっても、関西の学生は6回生になるとか聞いた。関西の学生は落第が学生証でバレルのである。冗談の話だろうと思うが。

 仏教用語で三界と言うのがある。ネットの引用では「三界とは、欲界(よっかい)・色界(しきかい)・無色界(むしきかい)の三つをいう。欲望につながれて苦しみ迷うものを欲界の衆生といい、美しい形にとらわれているものを色界の衆生といい、美しさへのとらわれは超えているが、なお迷っているものを無色界の衆生という。」とある。この用語は「さんがい」と読むべきで「さんかい」とは読まないと思われる。いわゆる専門用語である。
(写真は加賀須野の昇降橋、手前はえびす神社参道の彼岸花)

徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄