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Vol.114.ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な

公開日 2020年07月

~スタートは0なのか1なのか~

 私達が使っている数字は、いわゆる西洋数字である。10進法という数え方を使っているので10種類の数字がある。10種類の数字とは、和数字から明治に洋数字になった。
 一、二、三、四、五、六、七、八、九、十 
和数字は一からはじまり、
 0、1、2、3、4、5、6、7、8、9
洋数字は0から始まる。

 ある国のデパートに入ると、そこは地階であり、上の階は当然のこと1階になる。それに引き換え、日本では、1から始まるのである。ほぼどこのデパートも入ったところは1階であり、その上の階は2階である。更に、子どもの年齢も、昔の年齢計算は生まれたときに1歳であり、後から1年、1年を重ねていくのである。最近は生まれた時には0歳である。それから1年を経て1歳になる。条例で満年齢、西洋式に国が決めたのである。

 話は変わるが「人一倍」と言う表現がある。これは人の2倍と言う意味であるが、明治になるまでの和算では、数字として甲(数学のXである)について、「甲+甲を甲の一倍、甲+甲+甲を甲の二倍、甲+甲+甲+甲を甲の三倍・・・」であったが、太政官布告で、「甲(甲×1)で一倍、甲+甲(甲×2)を二倍 甲+甲+甲(甲×3)は三倍・・・」のように決めたのである。分かり難いが、甲を加える、は不自然である。だから、すでに甲があり甲を加える、甲+甲で甲の一倍であった。加える・倍の言葉が生きていたのである。0の概念が入ってきて、0+甲が、甲を一回加えるので、一倍の言葉となるわけである。

 偶数の数を数えるときの、ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な、の数え方は、最初2を示して(すでに2があり)、「ちゅう(4)、ちゅう(6)、たこ(8)、かいな(10)」であったと思われる。倍数の理屈で述べたように1回目を、ちゅう(2)、にすれば、10にならないので、最後の、かいな、を、かい、と、な、に一呼吸置き、分けると「ちゅう(2)、ちゅう(4)、たこ(6)、かい(8)、な(10)」となり、たこの足が6に対応、かいな(腕)の2本が、訳の分からない、“かい”が2本、“な”も2本に分離された。所によると「ちゅう、ちゅう、たこ、かいな、とお」とも数える。
 わらべ歌の数え歌も西洋化の影響を受けたとの私説である。
 (写真は、お弾き、昔は小さい女の子の遊び道具だった)

徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄