公開日 2020年05月

~高年齢の人ばかりで自治会が運営できない~
私が住んでいるのは40年ほど前に出来た140~150軒ほどの団地である。家の周りには、南側の道の両側に28軒の家が建っており、私の班は11軒で構成されている。最近は更地になった家が1軒あり、倉庫のように使われている。また、施設に入居していて居住の実体のない家が6軒ある。ここ数年の間に救急車が6軒の家に来ている。複数回来ている家もあるのだ。子どものいる家庭は1軒のみであり、近所では幼児や小学生、中高生の声を聞くのは珍しい。聞こえるのは、遊びに来ている孫、あるいは曾孫の声である。
団地に入居時には、子どもの声があちらにもこちらにもあり、子ども会もできて、更に一つでは大きすぎて活動しにくく二組の子ども会になった。団地の共有地である緑地帯や公園の除草作業には多くの方が集まった。それぞれ特技を生かして剪定もされて、別の意味で交流の場ともなっていた。最近は、退職後のボランティアで除草をこまめにしてくれる人が出てきて、昔よりは公園や緑地はきれいになったが、除草作業に出て来られる人の数はぐっと減少して来た。後期高齢者になったり、健康面で体が不自由になったり、加齢に伴う障がいを抱えた人が増えてきたのである。
歩いて10分ほどでかなり大きなスーパーがあるのだが、最近は移動スーパーが来るようになったし、食事関係の宅配業者も見かけるようになった。また、逆方向に10分ほど歩けば病院があり、待合室にいるとあの人もこの人も顔見知りである。団地の人であり、病院友達でもある。40年ほど昔は、それぞれ仕事が忙しく地域活動に精を出せなかったのであるが、今や健康面で地域に関われなくなっている。団地の世話役は勿論であるが、小さな班の世話役さえ引き受け手がない。町からは自主防災組織を云々と言われても、リーダーになれる人が少なく、まさかの時は援助するより、援助される人ばかりになりつつある。
比較的街に近い所であるが、団地に空き家が増える、それも管理が行き届いた空き家であれば問題はないが、まもなく廃屋になりそうな家もある。過疎化と言うには悲しい。これが高齢化社会の現実である。(団地の公園)
徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄