公開日 2022年04月

~神社の中に神社・神様~
人が集まる会合は減り、行くところがなく、近くの神社を巡ったが、実に興味深いのである。そもそも神社にはどんな神様が祀られているか知らないで参拝してきたのである。3月もちょっと春の雰囲気のある暖かい日に松茂町中喜来の春日神社の鳥居をくぐった。
徳島市からなら国道11号線を北へ、とくとくターミナルを越えていくと右に見えるのが中喜来の春日神社である。あちこちの引き写しだが、天正二年(1574)創建。祭神は天照大神、建御賀豆知命、天児屋根命、伊波比主命、比売命。天照大神は、言うまでもなく太陽神で皇室の祖先神。建御賀豆知命と伊波比主命はともに天照大神の命を受け出雲の国を支配していた大国主命に会い、交渉し、出雲の国を譲り受けることに成功した神。天児屋根命は、言霊の神であり祝詞の神である。比売神(比売大神)、比咩神、姫大神などと書かれるのは、特定の神の名前ではなく、神社の主祭神の妻や娘、あるいは関係の深い女神を指すもの。
神社の南にある鳥居を入ると杉木立があり、両側に灯籠や狛犬が建てられている。それほど大きくはないが神社の雰囲気や香りのする、鳥居から本殿までを歩くのは心地よい。まず、鳥居を入ると左奥にかなり高く建っているのは地神である。土御祖神・埴安媛命、五穀祖神・倉稲魂命、農業祖神・天照大神、五穀護神・大己貴神、五穀護神・少彦名命を祀る。
本殿は、オープンであり普段は風が吹き抜ける。神社らしい佇まいである。本殿の左右に小さな社殿がある。向かって左側には、岩崎神社、大国主神社、事代主神社、山神社、久那戸神社、天神社、野神社が祀られ、右側には同じように、荒神社、水神社、住吉神社、金毘羅神社が祀られている。
本殿を裏に回れば安政大地震の敬渝碑が建てられており、しばしば震災がらみのニュースに関わり記事・映像になることがあり、多くの人にも知られている。更に裏側に進むと国道11号線から入ることができる階段があり、鳥居が建ち灯籠も狛犬も並んでいる一つの神社をなしているのが大国主明神の神社。その奥、北側にある祠は、稲荷神社と若宮神社の二社がまとめて祀られている。春日神社に祀られた神様は多いのである。
(写真は中喜来の春日神社、神様の名前の漢字はあやふやである)
徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄