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vol.144.被害者救済法が成立

公開日 2023年01月

R5.1コラム

~相談にのるのは困難が伴う~ 

 記憶も曖昧な50年ほど昔になるが、催眠術(教育の場では術は使わなくて、催眠法)に凝っていた。当時、自家用車が普及していなく、道は多くのところで舗装ができていない。「田舎のバス」の歌の文句のようにバスは「デコボコ道をガタゴト走る」のである。学校の遠足では幾人かは、車酔いの生徒さんがでたものである。
 
 バスに酔う生徒さんは車の「酔い止め」の市販の薬を飲んで遠足に行くが、それでも乗車中に車酔の生徒さんが出る。車に酔う生徒さんに乗車の前に車に酔わないように暗示をする催眠術(法)がある。それも難しい技法ではないので、知っておいても損はないと学び、ついつい深みに入り込んだのだ。

 通信教育で受講。はじめに自分が学んでいることに自信を持つために、念力の学習がある。それを終えると被検者を探して、例えば、右手を挙げて額の右側に当ててください、もうその手は離れません、と暗示をかけると、本当に離れない。暗示にかけてから、雨が降ってきました、傘を差しましょう、といえばその通りの動作をする。

 そんなことを思い出したのは、国会で「被害者救済法」が成立し、マインドコントロールが問題になったからである。催眠術(法)で一時的なら他人を支配することは可能だが、催眠状態が解けると問題はない。ただ、熟達の催眠術師ならかなりの心の支配は、断定はできないが可能ではないか。催眠商法の誰かが買うと釣られて買うのも一種の催眠術(法)なのである。

 消費者協会に入っています、とは言えても、マインドコントロール絡みの寄付の相談は実に難しい。催眠術を何時も何時も、何度も何度もかけられていると、直ぐに術者の暗示の中に入るからである。無意識の支配ともいえる。そのようなこともあるので消費者契約法の話をすることは素人には荷が重すぎる。

 とは言いながらも、消費者の立場を守るためには、よりしっかりした知識を持った消費者になることが期待されるのだ。
(写真は、不苦労「ふくろう」を意味している、つもり)


徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄