公開日 2024年01月

~歳は誕生日の前日にとる~
子供のころの話であるが、正月には兄弟三人で父親の実家へ年始の挨拶に行くのが恒例であった。祖父がほぼ毎年決まったように「幾歳になった」のかと聞く。三人がそれぞれ年齢を答えると、三人にお年玉をくれるのだが、三人分をまとめて兄に渡し、個人がもらうのではない。帰ってから兄は母親に渡して、やがて祖父母や従兄弟や従姉妹のお年玉に変身する。
自分の年齢を答えるのに困った記憶がある。幼稚園か小学校1年生だったかのころの話しである。年齢が増えないのだ。後から振り返ると昭和24年の法改正までは、数え年で年齢を数えていたので、正月を迎えると歳が増える。年末の12月に生まれると正月には2歳になる計算。法改正後には誕生日まで歳は増えなくなった。数え年は誕生日までは満年齢より2歳の差があり、誕生日後は1歳の差となる。
一般に同級生で一番若いのは3月31日生まれだと思い込んでいたが、4月1日生まれである。これは、「年齢計算ニ関スル法律、第1項 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と決めてあるからだ。だから、誕生日の前日に新しい年齢に達するのである。4月1日生まれは前日・3月31日に歳を取ることになる。
閏年の問題は税金を徴収する政府の側からすれば、4年に一回の閏年生まれの人が、4年に一回の誕生日で40歳。まだ、10歳だから子ども手当をくれと主張すれば国は困るのである。手当てをくれと主張するより、働いて税金を納めろ、という理屈になる。お役人は税金を取るには抜け目がない。どうでもよいことであるようでありながら、些細なことは思わぬ大きな問題を含んでいる。
蛇足、昨今の状況は知らないが、20年ほど昔には、いわゆる年金問題が話題になった。個人的なことであるが、私の妻が結婚のために12月の下旬に賞与をもらって辞職し、翌年の1月に国民年金に加入した。受給の時になって、辞職した月の年金がかけられていないことが分かった。3号扶養家族の人は短い期間夫(妻)の厚生年金(共済年金)で夫(妻)の扶養になっていて、年金が続いておらず、切れている人が時折あった。当時は、(月の)初め入らず、終わり入る、年金問題で3号扶養では、注意事項として言われたものである。
(写真は文とは関係ありません)
阿波の助っ人・くらしのサポーター 三原茂雄