公開日 2024年03月

~思い出した懐かしいことなど~
能登の震災のニュースを日々見ていて、ふっと近くの長原の津波タワーを見てみようと思い立った。町のコミュニティーバス東部長原線にキョーエイ松茂店前で乗車した。小さな道をあちらこちらと回り回って阿波踊り空港に抜ける。さらに、空港滑走路の下を潜り抜けて、脇道に入って月見ヶ丘海浜公園に入る。終点の若宮神社までは概ね半時間である。
津波タワーは、若宮神社から、笹木野・長原線のバス停・若宮神社南を経て、長原津波タワー西で下車である。私は、若宮神社下車ならすぐ見えるだろうと思ったのが甘かった。タワーが見えるわけではなく、うろうろして、帰りのバスの時刻が心配で焦った。とりあえず堤防に出て、その堤防の上をぐるりと東の方に回った。思った通り端と思われる近くでタワーを見つけた。
昔の昔、小学校4年の遠足で牟岐にある出羽島へ行った。複式学級3・4年生20人余りが乗ると満杯である連絡船というのか郵便船というのか、それに乗れて実に楽しかった。島の小学校でお茶を出してもらって弁当を食べた。そんな思い出のある出羽島で、いわゆる出羽島アートのイベントがあり半世紀を超えて訪れた。過疎化は激しく昔日の勢いはなかった。古びた街並みの間にあった津波タワーはちょっと違和感があったが、基本的には長原のタワーも同じである。
出羽島と長原は、陸続きと島との違いは大きく、同じではあるまいが、海とともに生きていく人たちの海とのかかわりの意味は同じである。出羽島はそれなりに山があるが、松茂には山らしきものは全くない。あえて言えば3階建て4階建てのマンションがあり、大きさは山に等しい。海に面した場所・長原は、津波からの逃げ道はない。タワーの設置も対策の一つなのだろう。ただ、タワーの上で回りが海の状態なら生きた心地はせず、不安と思われる。
帰りは、再び若宮神社まで歩いて、笹木野・長原線のコミバスに乗り、若宮神社南、長原津波タワー西の停留所を眺めながら、松茂小学校や航空隊などを経由して、20分ほどでキョーエイ松茂店前で下車した。この日はキョーエイの割引がある特別な日であり、乗客は多かった。
(カットの写真は長原の津波タワー)
阿波の助っ人・くらしのサポーター 三原茂雄