公開日 2024年11月
~私には使いこなせない用語~
数か月前のことであるが、テレビを見ているとバスケットのファンを何というか知っていますか、という話題、問いかけがあった。スポーツでは、野球については「ファン」であろうし、芸能人についても「ファン」であると思う。ところが、サッカーは「サポーター」が知られるようになった。はじめは何処にサポーターを巻くのかかと可笑しかった。足などに巻いている包帯を想像したからである。それもだんだんにサポートという支持者の意味であるので、それなりに理解した。簡単に言えば慣れたのである。
ところが、バスケットのファンは「ブースター」というらしい(発音の聞き違いがあるかも)。テレビにはブースターをつけるとよく見えるようになる。電波の増幅装置のようなものが思い浮かぶ。バスケットは選手の技量を増幅、育てるのかな。いずれにしても、電気機器の接続器具のようで意味不明である。プロバスケットチームが徳島でもB3リーグに加盟した。少しずつではあっても、「ブースター」がファンの意味で定着することだろう。違和感なく日常語になることが、プロチームが県民に馴染んだ証になることである。
ちょっと話は異なるが、「推し」というのもなんとなく、「ファン」の類の言葉に思えるが、新語として今や使いこなせないのは私だけのようだ。語源のAKB48さえ分からないのだから仕方がない。メンバーで「一推しのメンバー」の略語「推しメン」をさらに短く「推し」となったという。好きということを含みつつ、誰かに推薦する、との意味がある。AKB48のファンであるが、その中の特定の人のファンなのか、AKBと特定の人の関係性など「推し」の用語の使い方が分からない。
“推し”は今や多くの分野で使われ、私の「推し」というのは単なる推薦のようであり、好きなのであなたも好きになって、というようにも聞こえる。といえば、「ファン」の意味のように思う言葉である。「推し」はどういう場面で使うのが適当なのか分からないし、知らないが、私には日本語がだんだん理解できなくなっている。「サポーター」も「ブースター」も「推し」も「ファン」に統一できないものか、老人はそんなことを思うのである。
蛇足、この文を書いていた10月1日のローカル紙の投稿欄に「推しの『ファンサ』」という表現にビックリ。どんな意味なのかな。
(カット バスケットボールは、籠球と訳されていた。また、昔は屋外コートもあった)
元しらさぎ消費者協会会長 三原茂雄