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vol.168.便利な軍手仕様の手袋

公開日 2025年01月

手袋

~左右区別がない手袋はSDGs~

 一昨年の年末のこと、数年使っている毛糸の手袋の左の人差し指に穴が開いた。困ったもののそのまま使用していたが、親指にも穴が開いた。両方ともに日が過ぎるほどに穴は大きくなっていく。つまんで修理するには大きすぎる。長く使っていると愛着もあり、更にちょっとみっともないが利用には不便を感じない。それでも潮時はある。

 隣町へ行く機会に安いのがあれば買ってきてくれ、と妻に頼んでおいた。年を超えると冬物が店頭に並ぶころであり、手袋も特売があって手ごろなものを見繕ってきた。手を入れてみると今までのものと比べて違和感がない。だが、大きな違いがあり、新しい手袋は軍手仕様で手袋の左右は違いがないので、使用の時に右左を調べる必要はない。毛糸の手袋は伸縮性があり左右フリーで違和感がないのである。

 便利なので同じ色のものがあれば、もう一双買っておけば片方に穴が開いたときに穴が開いていない方を残しておく。新しいものを使用し穴が空いたら、残しておいたものと一双にして利用できるので便利である。特売なので買っておこうと翌日にもう一度店に立ち寄ったが同じ色はすでに売れていた。まさか、私のように考える人がいたわけでもあるまいが、軍手仕様を気に入った人がいたのかもしれない。
 
 急に思い出したが、軍手に対して軍足という言葉もある。これは軍手よりさらに便利で、左右兼用であり、靴下の踵の位置が決められていない。ある程度の幅で大小の兼用にもなる。サイズを気にしなくても使用できるようにできている。それに引き換え日本で使われていた足袋は左右も大きさもかなりきっちりしたもので融通が利かない。ただ、親指が分かれているので地面(多くは、畳だった)をしっかりとらえた。

 手袋でも親指で一つ、他の指で一つと二つに分かれている仕様のものがある。幼児が左右の手袋を紐で結んで首に吊っていた。あれは何という手袋かと気になって調べた。スキーや登山での防寒用や台所での鍋つかみで使われる手袋でミトン。その手袋を北海道の方言では「ぼっこ」。 「日向ぼっこ」からともいわれる。
(カットは私の手袋)

元しらさぎ消費者協会会長 三原茂雄