公開日 2025年11月

~困った空き家も見られる~
一般向けの話ではないかも知れない。先日、私の住んでいる団地、私の班の空き家についての管理で役場へお願いに行った。役場には、空き家の管理などを担当する係を置いているようである。人が住まなくなっても持ち主が適当に手入れしてくれれば良いのだが、放置状態が続くと、一見すればもはや廃屋である。庭の雑草は大人の背丈を超える。庭木も道路やお隣の屋敷にまでも枝を伸ばす。
11軒の班構成であるのに5軒が空き家である。そのうち4軒は管理されているが、1軒が廃屋状態なのである。ブロック沿いの道路の少しの空き空間にも雑草は高くなり、近所の人が抜いている。もちろん敷地内の管理には手が出せない。管理をしている人が分からないのでお役所に頼むしか方策はない。風の便りで、施設に入られたと聞いたが、すでに記憶さえないくらい長い空き家である。生存さえ確かめようがない。
こんな愚痴を長野県に住む知人に聞いてもらった。彼からの返信メールに「私が住む班も、昔は20軒ありましたが、今は9軒になりました。6軒取り壊して、空き家が5軒です。10年後は3軒くらいしか残りません。寂しい限りです」とあった。彼の住む住環境は分からないが、私の住む松茂は、徳島と鳴門の中間にあり、過疎地というほどでもないのである。これが東京一極集中の対をなす過疎の実情である。
比較的散歩しやすい近くの団地を歩いた。どこもかしこも空き家はある。建て替えた新しい家も少なくはないが、なんとなく空き家が目に付くのである。もちろん、それを確かめる散歩なので当然かもしれない。これらの現状は人口の減少なのか、高齢化なのか、その原因は分からない。草木が茂る団地の未来は暗い。
ポツンと一軒家のように住民がだんだん集落から出ていくのではなく、どうやら住民が逝去するたびに空き家、そして、廃屋へ。そんな未来を見ないうちに黄泉の国に旅立ちたいと願う悲しい日々である。
(カットは、近所の空き家)
元しらさぎ消費者協会会長 三原茂雄