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vol.187.あんた、と、おまはん

公開日 2026年08月

R8.8月

~上品とか下品の差はあるのか~

 かなり昔の話。消費者サークルの会があった。いつも雑談に花が咲くのだが、その時は阿波弁の話題になった。記憶があいまいになり、どんな弾みで、相手の呼び方の話になったのかは記憶にない。徳島県から2~3日仕事で県外に出ることはあっても、ほぼ徳島県内で、阿波弁と標準語の区別がつかずに過ごしてきた自分では、何がおかしいのかさえ分からないこともある。

 この話の前ぶりの話題は全く記憶にない。徳島では、「あなた」という言葉を“あんた”とも“おまはん”とも日常的に使われる言葉である。「あなた」から“あんた”となり、「おまえ」「おんまえ」から“おまはん”と転化したと思われる方言?である。私の育った徳島の北方では両方ともよく聞く言葉で、昔は日常的であった。面白くも不思議でもない。
 
 その“おまはん”と“あんた”の話題になった。会の参加者の話では、何かの会でちょっと行き違いから気分を害した人がいたらしい。言われた人が言った人に「“おまはん”に“あんた”や言われたくない」と言ったようだ。言われた側も売られた喧嘩を買って「“あんた”に“おまはん”や言われたくない」(その逆だったかも)と言い返した。この話にそこにいた全員が大爆笑であった。

 “あんた”と“おまはん”の表現は多少の差はあっても徳島県内は通用する言葉であり、上品とか下品とかの差は見られない。使用頻度は多少地区によって差はあるだろうが、ただの方言である。会に参加していた全員が一斉に笑ったのは、多くの人が共通に使わないまでも聞き知っている。まして消費者の会は高齢化している。ちょっと出来過ぎていて作られた部分があるのかもしれない話。

 昭和20年代のことである。私より年上の知人が関西の大学に進学した。学生数人が集まるところへ、一人の学生が入ってきた。知人は「そこ、たっといて」と言ったのだ。きょとんとしている友達が「閉めておく」と理解するには時間がいった。そのことから知人は、“ミスター・シャッターマン”とあだ名されたようだ。昨今は都市部と田舎の言語差は少ないが、昭和20年代は、日常茶飯に方言を揶揄された。(カットの朝顔は文と無関係)



元しらさぎ消費者協会会長 三原茂雄