公開日 2026年10月

~上勝町の童歌~
ハロウィンというイベントがある。これは、神様をまつる祭りでも、神社で行われる祭りでもない。10月末にある夜のイベントの騒ぎをニュースで見るが、特に東京はイベントのようで、どんちゃん騒ぎがひんしゅくを買っている。元は宗教行事であり、カボチャを繰り抜いてランタンを作ったり仮装したりして遊ぶお祭りだった。
この祭りで「trick or treat」という遊びがある。詳しくは、「Treat me or I’ll trick you」と言って子どもたちが魔女やお化けの仮装をして近所の家々を回ってお菓子をねだるのだ。
「trick or treat」は、ハロウィンの伝統的なフレーズで、「お菓子をくれないか、いたずらするぞ」という意味である。大人たちはこの日のためにお菓子を準備しておくので、お菓子メーカーの戦略と言われることもあった。
ハロウィンのニュースが流れると、子どもの遊びを大人が取り上げて騒いでいる。テレビで見る騒ぎは、もともと子どもの行事とは思えない。徳島にもお亥の子さんの行事があった。『徳島高知のわらべ歌』には、上勝町で採取した「こんやのいのこ」の歌がある。ハロウィンと同様に子どもが近辺を回って、亥の子を祝うのである。
童歌でも現代的には問題がないわけではないが、歌詞を書けば、
いのこ いのこ こんやのいのこ
餅くれた家は 金の柱たてて 小判でふいて
東の窓から 福入れ 福入れ 福入れ
いのこ いのこ 餅くれん家は
東の窓から 貧乏入れ 貧乏入れ
このように子どもは藁で作った棒のようなもので家の前で土をたたく。子どもたちは餅、あるいはお小遣いを貰ったようである。和製のハロウィンを思い出させる。貰いに回る行為が望ましくなく、おそらく学校が禁止したのであろう。何も外国のイベントをありがたからず、日本の昔の行事・イベントを思い出し現代風にアレンジ出来ないか。
子どもが地域と結びつき行事を通して仲間づくりを作って来た。管理された遊びや範囲を示された中での連帯感は育ちにくい。この時代には不登校は考えられなかったと思われる。寂しいが、農山村の衰退を示すものだ。(カットは上勝の棚田)
元しらさぎ消費者協会会長 三原茂雄